久々に感じた地獄
こんにちは。からしです。
なにやら穏やかでないタイトルですが、今回はダブリンでの初アルバイトについて書いていこうと思います。
始めに言っておくと今私は2つアルバイトをしておりまして、一つは自転車で配達のアルバイトをしております。
先日、そのトライアルを受けてきました。それが本当に辛かったので大事な経験として自分の中に留めておくという意味でも記していきたいと思います。ちなみに友人からの紹介で始めました。正直、あまり希望の職ではないのですが、お金がないので贅沢はいっていられないという感じです。
僕は日本で学生時代に3年以上ものピザ屋での配達の経験があります。3年も経験があると、道を覚えたり、地図を見ることに相当慣れるもので、その点では外国の地での配達も全く恐くありませんでした。
というわけで迎えたバイト初日。友人からある程度の説明は受けていて大体の仕事の流れは把握していたので、かすかな緊張感のもと指定された開始場所へ向かい、軽い装備を与えられ、お仕事開始です。5時間の予定です。
ざっくりと説明します。スマホの専用アプリにオーダーがきて、それを受注します。あるレストランの住所と、お客さんの住所が載っているので、レストランで食品をもらい、お客さんに届けるだけです。非常に簡単です。誰でもできます。
そして早速そのアプリにオーダーが入ります。住所が載っているのですが、アイルランド、外国の住所表記にまだまだ慣れていないので、パッと見じゃ全然ピンとこないです。✈←こんなマークがあるのでこれを押して、一気に地図アプリで道順を表示してもらいます。
一軒のレストランが表示されますが、それが結構遠い!距離にして5~7kmほどでしょうか。遠いなぁやだなぁなんて思いつつ自転車を走らせます。そしてもちろん予定到着時刻みたいなのも表示されているのですが、残り10~15分くらいしかありませんでした。思っていたよりも全然シビアな時間間隔や配達の印象をうけ、心の中に暗雲が立ち込めてきました。
やはり地図を見ることには慣れているので、最初にマップに表示された道順を走り、道を間違えることなく順調に進んでいっている確信をもっていたのですが、一応確認のためアプリを開いて再確認してみました。
ちなみにこの時点で予定到着時刻を数分過ぎています。心の中の不安が大きくなってきました。
するとどうでしょう、、、、、
なんと地図の目的地は、今僕が向かっている目的地と全く別の場所を指しているではありませんか!
心を落ち着かせて冷静に場所を確認するも、僕の現在地は目的地よりはるかに遠い地点です。
この瞬間の絶望感を今でも忘れることができません。
一気に頭はパニック。いろんなことが頭をよぎります。
レストランには怒られる、お客さんには怒られる、会社には怒られる。まず会社に連絡しなければならないのですがもちろんそれも英語。
半泣きになりながら、まず会社に電話を掛けます。
「迷いました。(正確には迷ったというより勘違いして全然違う場所にきてしまったのですが)今めっちゃ遠いとこいます」
「Nooooo すぐに正しい場所に向かえ」
正直、この電話を掛けた時点でもう僕の心はもういいです、最初の一件目でこんな間違いをしてしまったし、体力的にめちゃくちゃきついしでこの仕事諦めます。辞めます。って感じでした。
(言い忘れていましたが、この仕事の日初めてアイルランドで自転車に乗ったのですが、ちょっとその自転車が壊れていたのもあり、僕自身何年かぶりというのもあり、めちゃくちゃきつい!!少し走っただけで太ももパンっパンです。)
しかし会社からはそのような指示が。覚悟を決めて正しい住所に向かいました。
あとから分かったことですが、その専用アプリの地図は全くあてにならないので、送られてきた住所を自分でしっかりと確認しなければならないのです。まんまと僕はその地図を信用して、間違った方向に進んでいったわけでした。
ようやく商品をうけとるレストランに到着しました。予定より1時間近い遅れです。
怒られるのを覚悟していったのですが、なにも言われることなく、普通に商品を受け取りました。
安心してる暇はありません。もちろん今度はこの商品をお客さんの元に届けに行くのです。
もう必死で地図を確認し、自転車を走らせて目的の住所に到着しました。大きいマンションです。
自転車を留めて、疲労で棒のようになった足を懸命に走らせてマンションに近づきます。
オートロックを鳴らし受け取った住所の部屋番号を押すも反応がありません。
仕方がないのでお客さんに電話してみたところA棟とのことです。
確かめてみたところ、マンションは3棟あり、僕がオートロックを押していたのはB棟でした。
大きいマンションの周りを血眼になって走り周りA棟を探すも見つかりません。なんという仕打ちでしょう。B棟C棟は見つかるのに、A棟が見当たらないのです。
道行くマンションの住民らしき人に尋ねます。普段なら歩いてる人に何かを尋ねるなんて到底できない僕ですが、この時はほんとに時間が遅れていて必死でしたので、なんの躊躇もなく、目に入った人に声を掛けました。
向こうだよ的な感じで教えてくれたので、その方向に向かうもまだまだ見当たりません。またまたそのあたりの人に声をかけ教えてもらいます。
やっと見つけたと思ったら、黒人の人がそのマンション前に立っていました。荷物をもっている僕をみて、声をかけてきました。そのお客さんでした。一回電話しているのでマンション前で待っていたのでしょう。
もうめちゃくちゃソーリーいいまくり、商品を渡しましたが、うん別にいいよ的な反応で商品を受け取り、初注文を終えることができました。
とこんな感じで1件目の注文を終えるわけですが、この時点で心と体はボロボロ。これをあと4時間もやらなければならないと思うと、久々に心が折れかけました。
この後もこの日はいろんな事があったのですが、とても書ききれません。思い出して書いているだけでも辛くなってきます。
この日はたった5時間の労働でしたが、終わったときにはもうほんとに疲れ果てていました。帰りは自転車を乗ることさえできず、自転車を押しながら結構な距離を歩いて帰りました。
こんなトラブルがありながらも無事?この仕事をゲットすることはできたのですが、長く続ける気はありません。
最初のトライアルは間違いなく、精神的にも体力的にも一番つらい経験でした。しかし、思い返せばいい経験をしているなぁと思います
このバイトをしてから、お店に入ったり、人に話しかける恐怖が大分薄らぎました。あの絶望を味わったからもう恐いものはないって感じですね。
いい経験をしているとは思いますが、このバイトを人に勧められるかと言われたら、お勧めはしません。
もうほんとにお金ないので、なんでもいいのでお仕事くださいって人だけです。
というわけで、地獄の体験談でした。
続いては、もう一つのローカルなバーでについて書きたいと思います。